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輸出入ビジネスと英文契約書
一般条項について 英文契約書には、おおむねどのような契約書にも共通して盛り込まれている条項があり、これらは一般条項とよばれています。 ここでは、契約の種類や取引の内容にかかわらず取り決めておくべき事項について規定しており、次のようなものが一般的です。 ■秘密保持/Confidentiality 契約交渉の過程で知りえた相手方の秘密情報について、相手方の許諾なしに開示しないことを定める条項です。 秘密情報とは何を指すか、いつまでこの規定を有効とするか等々、注意をはらうべきポイントがいくつかあります。 ■不可抗力/Force Majeure 天災や戦争、ストライキ等といった当事者がコントロールすることが不可能な事情により、契約の履行が不可能になることがあります。 このような場合にどう対処するかを定めた条項です。 ■契約期間/Term 契約の発効日と満了日を規定します。 契約締結日と発効日はかならずしも同じではないことに注意します。 契約満了後には一定期間の自動更新を定めるのが一般的です。 ■契約期間満了前の解除/Termination Before Expiration 当事者の一方が契約不履行を犯したり、会社経営上の危機に陥るなどして契約を続けることが困難な状況となった場合に、期間満了前でも解除する権限を相手方に与えることを定めた条項です。 ■契約の譲渡/Assignment 契約の当事者であることにもとづく権利義務を、相手方の承諾なしに第三者へ譲渡することを禁止した条項です。 ■通知/Notice 当事者同士の正式な連絡方法を定める条項です。 平常時はあまり意識されることはないと思われますが、緊急事態(たとえば相手方の破産により契約解除を申し入れる場合など)にはこの内容が生きてきます。 ■完全合意/Entire Agreement 正式に契約を締結した時点で、それまでの交渉の過程で交わした合意・約束はすべて無効となり、本契約書に記載された内容のみが唯一正式な合意事項となる・・・ということを定めた条項です。 ■準拠法/Governing Law 法律は国ごとにそれぞれ異なるため、契約書の解釈が当事者間で異なってくることも起こり得ます。 そういった場合に備え、契約にどこの国の法律を適用するかを定めておく条項です。 ■権利放棄/Waiver 契約にもとづく権利(たとえば債務の履行請求権など)を何らかの事情で一度行使しなかった場合でも、再び同様の事態が発生した際にまでその権利を放棄したことにはならないということを規定しています。 ■紛争解決/Settlement of Disputes 当事者間で紛争が発生した場合の解決方法について規定しています。 ■仲裁/Arbitration 紛争が発生した場合、裁判によらない解決方法として仲裁という選択肢があります。 仲裁は裁判と異なり非公開で行われるため、紛争の内容や企業の内部情報を秘密に保てること、また仲裁人として国際取引に精通した人物が選任されるため、専門的な問題にも対応が可能であることなどのメリットがあります。 また、仲裁に関する条約(ニューヨーク条約)の加盟国のいずれかで行われた仲裁判断は、他の加盟国でも執行力があります。 仲裁を利用しようとする場合には、あらかじめ当事者が書面により合意しておく必要があります。 ■裁判管轄/Jurisdiction 紛争が発生し裁判で解決することになった場合、管轄の裁判所をどこにするかを定めておく条項です。 相手国で裁判を行うことはコスト・労力の面で大変な負担となりますので、ここはねばって日本の裁判所の管轄を主張すべきです。 ■分離可能性/Severability 契約書の中の一部の条項が何らかの理由により無効と判断された場合、その条項は無効でもそれ以外には影響を及ぼさない-つまりその他の条項はそのまま効力を持つということを定めたものです。 |
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